糖尿病

インスリンの減少や作用が低下することで起こる糖尿病の、症状や予防に役立つ栄養素を紹介しています。治療には、薬の服用だけでなく、食事療法や運動療法なども必要になります。


糖尿病とは

インスリンが不足したり、作用が低下してしまうことで、血液中のブドウ糖が多くなる糖代謝障害です。
(インスリンとは、体内で唯一血糖を下げるホルモンで、血液中のブドウ糖をエネルギーとして利用したり、脂肪やグリコーゲンにして蓄える重要な働きを持っています。)

血液中のあり余ったブドウ糖は尿から流れ出るようになり、これが「糖尿病」の名前の由来となっています。

このブドウ糖は、本来細胞の中に入ってエネルーギー源として利用されるべきものなのですが、排尿されてしまう為に細胞がエネルギー不足になってしまい、様々な症状が現れてきます。

糖尿病の症状

糖尿病の症状は気付き難く、体のどこかが痛んだり、腫れあがるといった特徴的な自覚症状が殆どありません。

徐々に悪化し、血糖値がかなり高くなってくると「喉が渇く」「トイレの回数が増える」「疲れやすくなる」「食べても痩せる」などの症状があらわれます。
さらに、血糖値が極めて高い状態では、「昏睡」に陥ることもあります。

しかし、糖尿病の本当の恐ろしさは、病気自体ではなく『合併症』にあるのです。
最も発症しやすいと言われているのが『糖尿病性網膜症』、『糖尿病性腎症』、『糖尿病性神経障害』で、3大合併症とも呼ばれています。

糖尿病の原因と対策

糖尿病は、大きく4つのタイプに分かれています。

1型糖尿病
インスリンは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞というところで作られていますが、何らかの原因によりβ細胞が破壊されてしまい、インスリンが作れなくなってしまいます。
1型糖尿病は、インスリンを全く又は殆ど作れない為、毎日、注射によりインスリンを補充することが必要になります。
2型糖尿病
インスリンの不足や、作用の低下により起こる糖尿病で、偏食や肥満、運動不足やストレスなどの生活習慣が大きく関係しています。
生活習慣病とも呼ばれている糖尿病で、日本人の糖尿病患者の9割以上がこの型に当てはまります。
対策としては、発病の原因となっている生活習慣の改善が必要になります。
インスリン注射を行わざるをえない方もいますが、長期間の適切な療養により、注射や薬物治療から解放される方もいます。
妊娠糖尿病
妊娠すると、胎児に十分な栄養を与えようとして、母胎の血糖値が高くなり、糖尿病の症状が発症します。
通常、出産後には症状が治まり、健康な状態に戻りますが、妊娠糖尿病は流産や早産、胎児が巨大児、子供が将来糖尿病になりやすいなど危険性があります。
(すでに糖尿病である患者さんが妊娠した状態とは区別されます。)
対策としては、適切な食事を行い、インスリン療法と血糖値測定を続けることで、血糖値を適切な状態に保つことが大切です。
その他の糖尿病
遺伝子の異常、肝臓病や感染症など他の病気が原因となり、引き起こされる糖尿病です。
薬剤が原因となり起こることもあります。
糖尿病の関連サイト

糖尿病
厚生労働省の糖尿病に関するページです。非常に分かり易く解説していますので、参考にして下さい。

糖尿病 - Wikipedia
概要や疫学など糖尿病に関する様々な情報が紹介されているWikipediaのページです。

予防や症状の緩和に役立つ栄養素
クロム
糖代謝に大切なクロムは、インスリンの作用を促進しますので、糖尿病の予防や改善に注目されています。
ナイアシン
インスリンの合成に欠かせないナイアシンは、クロムと同時に摂取することで、より働きが向上すると言われています。
イヌリン
食物線維の1種であるイヌリンは、食後血糖値の上昇を抑え、糖尿病の緩和に役立つと言われています。
グルコマンナン
食物繊維の1種であるグルコマンナンは、イヌリンと同様に食後血糖値の上昇を抑え、糖尿病の緩和に役立つと言われています。
ギムネマ
食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きがあり、インドでは糖尿病を予防・改善するハーブとして用いらています。

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